北九州市立大学環境技術研究所

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シニアライフ技術開発センター

Center

シニアライフ技術開発センターは、2023年度から2025年度までの第2フェーズに移行しました。第2期の実施計画について紹介いたします。(2023.8月現在)センター継続の目的は以下の3点です。

目的①は第1期と同じくITとバイオを融合した簡易検査技術の実用化です。2020年度の開設時には高齢者の在宅医療をターゲットとしていました。その後のコロナ禍では自宅療養の重要性が社会課題となりました。コロナ後ではインバウンド需要が増加したため、食の流通における安全性をブランド化する企業の動きが盛んになっています。さらにAI技術の急速な普及で、異次元的な情報化社会が到来しました。シニアライフ技術開発センターでは幅広い社会ニーズへの対応とともに、最先端のAI技術を融合した新たな製品やビジネスの創出を目指します。

目的②は第1期で育んだ異分野教員との融合技術をさらに進展させ、大型予算の獲得を目指します。

目的③は第1期で蓄積した外部資金獲得実績ををさらに進展させ、2つの社会実装へのExitを目指します。

従来の測定器や技術には一長一短があります。スマートセンサの開発は、これらの市場の隙間を埋める新たなマーケットの創出を目指します。

第1期の獲得資金を元手に、以下のようなスマートセンサのプロトタイプが完成しました。AI技術を搭載したスマートセンサは、従来機器にはない新しい価値を顧客に提供できます。バイオや医療、薬品や食品などのDeepTechへ幅広い波及を見込んでいます。

第1期ではスマートセンサによる微生物検査の実証化が進展しました。現状では未培養の大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクターを30分程度で検出できます。検出限界は10⁴~10⁶ cell/mLです。第2期では検出限界1~100 cell/mLを、簡便に再現性よく検出する技術を目指します。

第1期ではウイルスを検知するための要素技術も進展しました。第2期ではこの細胞技術をスマートセンサ技術と融合させることも目標としています。

第1期では5件の特許が準備できました。第2期では連携する企業様とともに、さらなる知財集積に取り組みます。

第2期実施計画で注力する点は、異分野教員との融合技術で公的補助金の獲得や企業との共同研究に繋げることです。シニアライフ技術開発センターは、次世代へのシーズ創出に貢献していきます。

第2期実施計画では、2つの方法を模索して研究成果の社会実装を目指します。本学ではこれまで企業様とPoC(Proof of Concept:概念検証、試作開発に入る前段階の検証プロセス)を締結する制度が不十分でした。第1期では産学連携部と共にこの整備を進め、共同研究のフェーズへ短期間に進めることができるようになりました。第1期で培った製品、実証化とPoC締結による検証で、事業化のスピードを加速します。

また第2期では起業による社会実装の方策も具体的に進めます。この場合、VCからの投資を受けて起業し、企業活動を開始できれば幸いです。スタートアップ後の黒字転換は、2年度の第2四半期と試算しています。