都市エネルギーマネジメント研究センターResearch Center for Urban Energy Management
北九州市のもつ次世代エネルギー先進地域という特徴を活かし、低炭素化、持続可能な都市機能実現に向け、環境・エネルギーの世界的な研究・技術開発拠点形成を進める。
- センター長 松本 亨(環境技術研究所、国際環境工学部環境生命工学科 兼務)
- 副センター長 牛房 義明(経済学部経済学科、環境技術研究所 兼務)
- 設置 2017年4月
センターの特徴
低炭素、エネルギーセキュリティ等の観点から、世界的にエネルギーマネジメントの重要性が高まっている。特に日本では、東日本大震災以降、再生可能エネルギーの導入への機運が高まり、新たなエネルギーミックスに関する議論と技術開発が活発化し、エネルギー基盤が大きく変化しつつある。
ここで、エネルギーマネジメント、あるいはエネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、ICT(情報通信技術)を活用することでエネルギーの使用状況の把握・管理、省エネルギーや負荷平準化等を図り、エネルギーの合理的使用につなげることを指し、建築物単体レベルからコミュニティレベルまでそのシステム開発が進められている。より広義には、システムをICTに限定せず、各種政策手段を包含した「しくみ」まで拡大することもある。マネジメントの概念も、エネルギー使用と事業性に限定せず、作業性、快適性や、さらに資源循環、地域活性化、自然共生等の観点も包含されるようになってきている。
本センターの特徴としては、第一に、建築物単体から地域までマルチスケールを研究対象にしていることである。異なるスケール間のシミュレーションモデルにおけるデータのやり取り(ネスティング)が次の課題となると考えている。
第二に、ICTの分野との融合研究が、効果的連携が進みつつあることである。第三に、実証フィールドの活用である。北九州市では、「北九州スマートコミュニティ創造事業(2010~2014年度)」、「城野ゼロ・カーボン先進街区形成事業(2012年度土地区画整理事業着手)」、「北九州市地域エネルギー拠点化推進事業(2013~2020年度)」等、エネルギーマネジメントに関わるさまざまな先進的実証事業が実施されている。これらから得られる社会実証のデータは、研究を進める上で大きな後ろ盾となっている。
北九州市が戦略的に目指すエネルギーの将来像
(出典:北九州市地球温暖化対策実行計画(2021~2030)、2021年8月)